シリーズ・虫その1<寄生虫>

症状の差はあれ、年々花粉に苦しむ人が周りにも増えてきた。
くしゃみを連発している青年に
「花粉症ですか?」と声をかけた。
「そやねん、キタジマさんは大丈夫なん?」
「はい、わたしお腹に寄生虫飼ってますから」
「そうなんや」
「……」

おっ、驚かねえのかよ。
「まじで~!」とか「うそ~ん!」とか、
あるいは「はい、はい」とかそういうの。
私がモデルだったら、<寄生虫ダイエット>と
納得していただいてもいいけれど
一般市民の私がお腹に寄生虫飼っていることに対しては
大いに不思議に思ってください!

飼っていても不思議ではない片鱗が私にはあるのだろうか。
心当たりは…、あるな。
ちまたでは、少し(奇妙な)虫好きで通っているし…。

私の仕事環境はパーティションでしきられたコチラ側で仕事をしているのだが
そういえば、先日もパーティションのあちらから
「キタジマさんのところに、帰り」という声が聞こえてきた。
彼は自分のデスクに迷い込んだクモに話しかけていた。

はたまた以前、仕事で東京に行く際、
家族に何しに行くのかと聞かれ
「寄生虫館見に行くねん」と答えたが、
別段不思議がることもない家族であった。

姉から聞いた話によると父が
「あの子はなんで寄生虫なんかに興味を持っているんや?
大丈夫なんか?」
と、こそこそと心配していたらしい。

後日父の前で「かいちゅう(海中)通っている電車」と発言した際、
「オマエはまだ回虫に興味があるのか!」と何故か怒られた。
おこらないでも。

父としては娘の興味の矛先が寄生虫というのが納得いかないらしい。
母は「あの子変わってるしな…お腹に回虫飼ってるかもな。ははは」で
終わっていたようである。
あなたから生まれた娘です。

寄生虫への興味は
寄生虫博士・藤田 紘一郎の本がきっかけだけれども
TPOわきまえず、
人様に熱く語るのは間違っているよな、確かに。

実際、寄生虫館は
気持ち悪かったわよ、さすがにね。
「リアルはいかん」

※お腹に寄生虫を住まわせると
花粉症にならないかどうかは責任持ちませんのであしからず。