ワタクシ、三姉妹の末っ子なのですが
これは、今さら変えられない。
お父ちゃん、お母ちゃんももう、がんばれないし。
産まれた時から今までずっと末っ子なもんだから
完全なる末っ子気質でも仕方あるまい。

末っ子と聞くと「甘えたさん」的なイメージを抱く方も多いが
本来末っ子は甘えたさんでは決してない。
幼い頃は「しっかりしてるね~」と言われることの方が多い。

ただ、依存心は強い。
それは依存できるものに、いつも寄生しているのかというと
そういうわけでもない。
正確には、“依存できるかできないかの判断”が
本能的に長けている。

頼れるものを見つけると
べったりでなく、そーっと気ずかれないくらいに
横で寄生する。

しかし、こいつぁ、頼れない、
頼るものがないと判断した時は
瞬時に手の平返したように、
そりゃもう、しっかり自分でなんでもできてしまう。

そうやって生きていくのです。末っ子は。

先日駅で(また駅!)電車を待っていると
小学1年生くらいのお兄ちゃんと
まだ幼稚園の年少さんくらいの弟が
退屈そうにしている。

弟は退屈を紛らわすためか
かまってほしいのか、脈絡もなく
お兄ちゃんの頭をどついた。
満身の笑顔で。

お兄ちゃんは、
公の場であることを理解しているように
小さな声で「やめろや」と注意した。

しかしながら、調子に乗っている弟は恐ろしい。
「こんなに楽しいことはない!」という笑顔で
まるでリズムを刻むがごとく
お兄ちゃんの頭を叩き続ける。

無視していたお兄ちゃんも
仏の顔も三度まで。
「やめろ、ゆうてるやろっ!」と
弟の頭にバシッと一発くらわせた。

まるでお約束のようなシーンが続く。

弟は、駅のホームおかまいなしに
大声で泣き、母親にしがみつく。

「あんた、お兄ちゃんなんやから」と母親。

お兄ちゃんは、「こいつが先に叩いてきたから」という
言い訳もせず、ポーカーフェイを装っている。

あー、なんて理不尽。
そして、あの弟の満身の笑顔に世間はだまされ
「かわいいねー」と育てられるのだろう。

そりゃ、お兄ちゃんポーカーフェイスが上手くもなるよね。

世のお兄ちゃん、お姉ちゃんは
ずっと、弟や妹ができた時から
こんな理不尽な仕打ちを
小さな胸にしまいこんで生きているのね。

えらいねぇ。
世のお兄ちゃん、お姉ちゃんに感謝状を贈ろう!

たとえ「妹や弟なんて欲しくなかった」ということを
幾度となく思ったとしても
私は、それを聞かないふりして生きていきます。
末っ子として。